リスティング広告初心者必見!マッチタイプの基本と効果的な使い方
2024.09.02
リスティング広告を配信しようとした時に必ず設定する項目として「キーワードのマッチタイプ」があります。
マッチタイプは、設定したキーワードに関連して広く広告を表示するのか。それともピンポイントに広告を表示するのかなど、どの範囲まで拡張させるのかを設定する重要な設定項目です。
本記事では、マッチタイプの種類やそれぞれの特徴とどのマッチタイプを選べば良いのかを解説します。
マッチタイプの種類とそれぞれの役割
マッチタイプは、完全一致、フレーズ一致、インテントマッチ(旧:部分一致)の3つの種類があり、大きく分けると以下の役割になります。
マッチタイプ | それぞれの役割 |
---|---|
完全一致 | 登録キーワードと完全に同じ意味または意図の検索語句に該当する場合に広告を表示 |
フレーズ一致 | 登録キーワードと同じ意味の内容を含む検索語句に該当する場合に広告を表示 |
インテントマッチ(旧:部分一致) | 登録したキーワードに関連する内容の検索語句に該当する場合に広告を表示。登録したキーワードに含まれていない検索語句に対しても広告が表示されることもあります |
また、キーワードには「キーワードの類似パターン」という仕様が存在しており、例え完全一致やフレーズ一致でキーワードを登録したとしても、媒体側が登録キーワードと検索語句が同じ内容のものだと判断する場合には広告が表示されます。例としては以下のようなパターンが存在します。
参考元:キーワードの類似パターン - Google 広告 ヘルプ
類似パターン | 表示例 |
---|---|
表記揺れ | 「振込」と「振り込み」 「犬」と「いぬ」 |
語順違い | 「男性用 靴」と「靴 男性用」 等 |
類義語や言い換え | 「スイムウェア」と「水着」 |
検索意図に影響しない助詞・接続詞の有無 | 「男性用 靴」と「男性用の靴」 |
一部語句を略した表現(略語) | 「インスタグラム」と「インスタ」 |
このように類似パターンに対しては細かく個別に設定しなくても広告が配信されるため、上手に活用していきましょう。
次に、マッチタイプ毎のより詳しい解説を進めます。
完全一致
完全一致とは、その名前の通り登録したキーワードと「完全に同じ検索語句」または「完全に同じ意図・意味の検索語句」の場合に広告が表示される設定のマッチタイプです。
例として、「男性用 靴」というキーワードを完全一致で登録した場合には以下のような表示結果になります。
登録キーワード | [男性用 靴] |
広告が表示される検索語句例 | 男性用 靴 男性 靴 メンズ 靴 靴 男性用 |
広告が表示されない検索語句例 | 男性用 靴 おすすめ 女性用 靴 男性用 帽子 |
最も検索語句の範囲を限定して広告表示をすることができるマッチタイプの為、「コンバージョンを取れる語句のあたりがついている」「広告費の無駄打ちをほぼしたくない」ケースで利用するのがおすすめです。
ただし、完全一致で拾うことができる検索語句はごく一部の為、他のフレーズ一致・部分一致を併用しつつ上手く使っていく事が重要になります。
フレーズ一致
フレーズ一致とは、登録したキーワードと「同じ意味の内容を含む検索語句」の場合に広告が表示される設定のマッチタイプです。
例として、「男性用 靴」というキーワードをフレーズ一致で登録した場合には以下のような表示結果になります。
登録キーワード | "男性用 靴" |
広告が表示される検索語句例 | 男性用 靴 男性用 靴 セール メンズ 靴 安い 履きやすい靴 男 |
広告が表示されない検索語句例 | 男性用 帽子 靴ショップ 求人 男性 |
完全一致よりも広く、インテントマッチよりは狭い範囲の指定をして広告を表示することができるマッチタイプの為、「特定の検索語句は含んだ状態で狙いたい場合」や、「インテントマッチにするには拡張具合が気になるし、完全一致でやるには想定できるキーワードが不明な場合」などのケースで利用するのがおすすめです。
インテントマッチ(旧名称:部分一致)
インテントマッチとは、登録したキーワードと「関連する検索語句」の場合に広告が表示される設定のマッチタイプです。
長く「部分一致」という名称でしたが、2024年7月からは「インテントマッチ」という名称へと変更されています。
経緯については余談となりますので、気になる方は下記の記事を参考にしてください。
「インテントマッチ」とは?部分一致から改称した理由と注意点を説明【2024年7月・リスティング広告】
インテントマッチの場合、的確な広告を表示する為、設定したキーワード以外の以下の情報も考慮される場合があります。
・ユーザーの最近の検索アクティビティ
・ランディング ページのコンテンツ
・広告グループ内の他のキーワード(キーワードの意図を詳しく把握するため)
参考元:キーワードのマッチタイプについて - Google 広告 ヘルプ
例として、「男性用 靴」というキーワードを部分一致で登録した場合には以下のような表示結果になります。
登録キーワード | 男性用 靴 |
広告が表示される検索語句例 | 男性用 靴 男性に人気の靴 靴 メンズ服 |
広告が表示されない検索語句例 | 無し ※媒体側が関連があると判断する検索語句は常に変化する可能性がある為 |
3つのマッチタイプの中で最も広い範囲に広告を表示できるマッチタイプで、かつ他の二つでは加味できないユーザーの意図を考慮した検索語句とのマッチを図る為、自分たちで想定していないユーザーに対してもアプローチをかける事が可能となります。
「関連した語句に関しては最大限広げつつ配信をしていきたい場合」「複数の検索キーワードを設定するのが難しい場合」などのケースで利用するのがおすすめです。
インテントマッチの注意点としては、他二つのマッチタイプと比べ、意図していない検索語句からの流入数が増えやすいため、見込みの低い検索語句の除外設定をしっかり行わなければならない点などがあります。
マッチタイプの優先度
マッチタイプの種類や特徴について紹介してきましたが、複数のキーワードを設定している場合どのキーワードが優先的に広告表示に利用されるのかについて解説します。
基本的には、複数のキーワードがマッチした場合には絞り込み条件の厳しい「完全一致<フレーズ一致<インテントマッチ」の優先順位で掲載されます。
例外もありますが、もう少し詳細に優先度について解説します。
1:検索語句との完全一致
最初に記載した内容通りですが、まずは検索語句とマッチした完全一致キーワードが優先されます。
例として、「男性用 靴」という同一キーワードを3つのマッチタイプで登録した場合には以下のように、絞り込みの厳しいマッチタイプが優先して表示されます。
登録キーワード | 優先度 |
[男性用 靴] (完全一致) | ① |
"男性用 靴" (フレーズ一致) | ② |
男性用 靴 (部分一致) | ③ |
2:スペル修正の語句との完全一致
次に優先順位が高いのは、検索語句が完全一致キーワードのスペルミスになっている場合です。
例としては「男性要 靴」で検索してしまい、検索結果の表示に「次の検索結果を表示しています」と出る場合がイメージがつきやすいかもしれません。
この場合のマッチタイプ優先度については先ほどの検索語句との完全一致と同じになります。
3:検索語句とのフレーズ一致やインテントマッチ
4:スペル修正の語句とのフレーズ一致やインテントマッチ
完全一致がキーワードに含まれていない場合には、フレーズ一致と部分一致との比較になりますが、検索語句とキーワードがマッチしている場合や、スペルミスで一致している場合にはフレーズ一致の方がインテントマッチよりも優先されます。
5:関連性とオークションランクの組み合わせが最も高いキーワード(全マッチタイプ)
アカウント内に検索語句と同一のキーワードが存在しない場合には、関連性とオークション(広告)ランクを基に最も適していると判断されたキーワードが優先されることになります。
優先度の例外
ここまで各マッチタイプの優先度を記載しましたが、以下の場合には例外となるので注意が必要です。
広告表示につながらないキーワードを設定している場合
・検索ボリュームの少ないキーワードを設定している
・適切ではないターゲティングを利用している
上記のように広告表示につながらないような設定をしている場合には優先順位のルールが適用されない事があります。
キャンペーンに予算制限がかかっている場合
本来優先されるべきキーワードを設定しているキャンペーンに予算の制限がかかっている場合には他の優先順位が低いキーワードが選ばれる可能性があります。
例として、「男性用 靴」という同一キーワードを3つのマッチタイプで登録した場合には以下のように、絞り込みの厳しいマッチタイプが優先して表示されます。
参考元:Google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて - Google 広告 ヘルプ
リスティング広告のマッチタイプとは?種類と優先順位、使い分けのメリットを解説|LINEヤフー for Business
状況別のおすすめ使い方
ここまでマッチタイプについて紹介していきましたが、初めてリスティング広告を配信する場合には大きく分けた二つのパターンでおすすめを記載します。
広告の目的 | 使用マッチタイプ | 理由 |
コンバージョンの最大化・拡大 | インテントマッチを主軸 | 検索語句を大きく拾いながら、コンバージョン単価の高騰リスクはありつつも意図しない見込み顧客からの検索・コンバージョンを図りつつ進行 |
目標とするコンバージョン単価を目指しつつ運用 | フレーズ一致 完全一致 | 意図する検索語句から大きく外れる事が無いため、登録したキーワードが大きく誤っていなければコンバージョン単価も抑制しつつ進行可能 |
検索語句の管理が難しい場合には、初動はフレーズ一致/完全一致運用の方が安定して動かすことが可能ですが、この二つのマッチタイプだけではコンバージョンを獲得できる可能性がある検索語句を網羅するのは難しいため、拡大を図る場合にはインテントマッチも取り入れていく事が重要となっています。
まとめ
適切なマッチタイプを設定していない場合、本来届けたいユーザーに対して広告を配信できなくなってしまうことも多々あります。
基本ともいえる設定ではありますが、非常に重要な項目ですのでマッチタイプについて理解を深めた上で広告設計・配信することをおすすめします。
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この記事を書いた人
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新宿でWeb広告全般の運用代行をしているFiveの編集部です!
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