【2025年最新版】Instagram広告とは?特徴や費用相場、広告の出し方を徹底解説
2025.10.10

目次
Instagram広告とは?
Instagram広告とは、写真や動画を共有するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であるInstagramのフィードやストーリーズなどに配信できる広告のことです。
Meta社のプラットフォームが持つ詳細なユーザーデータを活用したターゲティングが可能な仕組みが特徴です。
多くの企業にInstagram広告が利用される理由は、テキスト中心の他のSNSと比較して、ビジュアルによる直感的な訴求力が高い点にあります。
このInstagram広告の特徴を正しく理解し、適切に活用することが、効果的なプロモーションへとつながります。
Instagram広告の特徴とメリット
Instagram広告には、他の広告媒体にはない数多くのメリットが存在します。
その最大の強みは、Meta社が保有する膨大なデータを活用した高精度なターゲティング機能であり、これにより狙ったユーザー層へ的確に情報を届けることが可能です。
また、視覚的なコンテンツを通じてブランドイメージを自然に伝えられる点や、少額の予算からでも始められる手軽さも大きな魅力です。
これらの特徴を活かすことで、さまざまなビジネス目標の達成に貢献します。
Meta社のデータを活用した高精度なターゲティングが可能
Instagram広告は、親会社であるMetaが持つFacebookの豊富なユーザーデータを活用した、非常に精度の高いターゲティングが可能です。
これにより、広告主は自社の商品やサービスに興味を持つ可能性が高いターゲット層に絞って広告を配信できます。
具体的には、年齢、性別、言語、地域といった基本的な属性データだけでなく、特定のエリアから半径を指定するような範囲設定も行えます。
さらに、ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいた詳細な絞り込みもできます。
WebサイトにMetaピクセルを設置すれば、サイトを訪問したユーザーに対して再度広告を表示するリターゲティング広告も配信可能です。
若年層に向けて効率的にアプローチできる
Instagramは日本国内、特に10代から30代の若年層に広く利用されているSNSプラットフォームです。
そのため、若年層をターゲットとする商品やサービスのプロモーションにおいて、非常に効率的なリーチが期待できます。
ビジュアル中心のコンテンツが並ぶフィードやストーリーズに広告が自然に溶け込むため、ユーザーに広告として敬遠されにくく、高いエンゲージメントを獲得しやすい傾向があります。
特にストーリーズやリールといった没入感の高いフォーマットを活用することで、トレンドに敏感な若者たちとのコミュニケーションを深め、ブランドへの共感や興味を効果的に引き出すことが可能です。
ハッシュタグを絡めてブランドの認知度アップを狙える
Instagram広告ではハッシュタグをつけた広告を配信することが可能です。
例えば通常の投稿で自社のブランドや商品の名前をハッシュタグに使用していた場合、
ユーザーが広告内のハッシュタグをタップした際、検索結果で自社ブランドに関する投稿が多数表示されます。
これにより、自社ブランドに対してユーザーの興味関心が高まるといった相乗効果も期待できます。
少額の配信でも短期的な成果に繋がりやすい
Instagram広告は、少額の予算からでも配信を開始できる柔軟性を持っています。
少額でテスト配信してみて、成果を分析しながら予算を増額していくことで、コストを抑えながら短期的な成果を追求できます。
Instagram広告のデメリット
多くのメリットがある一方で、Instagram広告には注意すべきデメリットも存在します。
ビジュアルコミュニケーションが中心のプラットフォームであるため、ユーザーの目を引く質の高い画像や動画クリエイティブを継続的に制作し続ける必要があります。
また、広告のパフォーマンスはMeta社の配信アルゴリズムに大きく依存するため、アップデートによって効果が変動する可能性も考慮しなければなりません。
ユーザーとの距離が近い分、不適切な広告表現やターゲティングは、ブランドイメージの低下や炎上につながるリスクもはらんでいます。
Instagram広告の費用相場と課金方式
Instagram広告には固定の料金プランが存在しません。
広告主が自身のビジネス目標や状況に応じて自由に予算を設定できる仕組みになっています。
そのため、広告運用を始めるにあたっては、一般的な費用相場や課金方式について理解しておくことが重要です。
適切な予算設定と課金方式が、費用対効果の高い広告運用を実現する第一歩となります。
ここでは、広告費用の相場感と主要な課金方式について解説します。
費用相場
Instagram広告の費用相場は、広告運用の目的、業種、ターゲット、運用体制などの要因で大きく変動します。
一般的に、自社で運用する場合は月に10万円前後からでも配信可能です。
広告代理店に運用を依頼する場合は、運用代行手数料を含めて月に20万円から50万円以上が費用相場となります。
ブランドの認知度向上を目的とする場合は比較的少額の広告費用でも効果が見込めます。
Webサイトでの商品購入といったコンバージョン獲得を目指す場合は、広告の機械学習を最適化させるためにより多くの広告費用が必要となる傾向があります。
課金方式
Instagram広告の課金方式は、キャンペーン作成時に選択した「目的」に応じて複数の選択肢が用意されています。
広告はオークション形式でユーザーへの表示機会が決定され、選択した課金方式に基づいて費用が発生する仕組みです。
代表的なものには、表示回数に基づく「インプレッション課金(CPM課金)」、クリック数に応じた「リンククリック課金(CPC課金)」、動画の再生による「ThruPlay」などがあります。
広告費の支払い方法としては、クレジットカードやデビットカード、PayPalなどが利用できます。
インプレッション課金(CPM課金)
インプレッション課金(CPM課金)は、Instagram広告がユーザーに表示されるたびに費用が発生する課金方式です。
Instagram広告が表示された回数(インプレッション)1,000回当たりの費用が課金され、
インプレッション1,000回当たりの平均費用をCPM(Cost Per Mille)と呼びます。
リンククリック課金(CPC課金)
クリック課金は、Instagram広告のリンクがユーザーにクリックされた回数に応じて費用が発生する課金方式です。
クリック1回当たりの平均費用をCPC(Cost Per Click)と呼びます。
ThruPlay
ThruPlayは、Instagram動画広告がユーザーに15秒以上再生された回数に応じて費用が発生する課金方式です。
15秒未満の動画広告については最後(97%時点)まで再生された回数に応じて費用が発生します。
この課金方式はThruPlayという、Instagram広告独自の名称で呼ばれています。
Instagram広告の種類
Instagram広告の種類は、主に配信先となる「プラットフォーム」、広告がユーザーに表示される「配信面」、そして広告の形式である「フォーマット」という3つの要素の組み合わせによって決まります。
ここでは、それぞれの広告の種類について解説します。
プラットフォーム
Instagram広告は、Meta社の広告配信システムを利用しているため、Instagramだけでなく、Metaが運営する他のSNSにも広告を配信することが可能です。
プラットフォームは、Instagram、Facebook、Messenger、Audience Network、Threadsの5つです。
Audience Networkには、Metaの提携する多数のモバイルアプリやWebサイトが含まれます。
また、2023年に登場したテキストベースのSNSであるThreadsへの配信も可能になっています。
「Advantage+配置」機能を利用すれば、Metaのシステムが最も効果的と判断したプラットフォームへ自動的に広告を配信してくれます。
プラットフォームとしてInstagramを選択すると、広告はInstagramアプリ内のさまざまな場所に配信されます。
ユーザーがフォローしているアカウントの投稿に混ざって配信される「フィード」、24時間で消える縦型のフルスクリーン投稿である「ストーリーズ」、ショート動画が楽しめる「リール」、そして新たな興味関心を発見するための「発見タブ」などに広告を配信できます。
Instagramと同時にFacebookへ広告を配信することもできます。
これにより、作成した広告をFacebookのフィード、ストーリーズ、インストリーム動画、Marketplace、検索結果など、多岐にわたる配信面に表示させることが可能です。
一般的に、Instagramは若年層の利用が多いのに対し、Facebookはより幅広い年齢層に利用されています。
そのため、Facebookにも同時に広告を配信することで、Instagramだけではアプローチしきれなかった新たな潜在顧客層へもリーチを広げ、キャンペーン全体の効果を最大化できます。
Messenger
Messengerは、Facebookと連携したメッセージングアプリであり、ここにも広告を配信することが可能です。
主な配信場所は、チャットリストの間に表示される「受信箱」や、Messenger内の「ストーリーズ」などです。
Audience Network
Audience Networkは、Meta社が提携している数多くの外部モバイルアプリやWebサイトで構成された広告配信ネットワークです。
このプラットフォームでは、InstagramやFacebookを利用していないユーザーに対しても広告を届けることが可能となり、リーチを大幅に拡大できます。
広告は、提携先のニュースアプリの記事内やゲームアプリのリワード(報酬)動画など、さまざまな場面で広告が配信されます。
Threads
Threadsは、Meta社が2023年に提供を開始したテキストベースのSNSです。
現在、Instagram広告の配信プラットフォームとしてThreadsも選択可能になっており、ユーザーのフィード(タイムライン)上に広告を配信できます。
比較的新しいプラットフォームであるため、広告主の参入がまだ少なく、競争が激しくない環境でユーザーの注目を集められる可能性があります。
今後の機能拡充に伴い、広告フォーマットの多様化も期待されます。
配信面
配信面とは、InstagramやFacebookといったプラットフォームの中で、広告が具体的に表示される「場所」を指します。
Instagramだけでも、ユーザーがフォローしている投稿を見る「フィード」、24時間で消える「ストーリーズ」、ショート動画を楽しむ「リール」、新たなコンテンツを探す「発見タブ」など、複数の配信面が存在します。
ユーザーはそれぞれの配信面を異なる目的や気分で利用しているため、広告効果を最大化するには、各配信面の特徴を理解し、その文脈に合ったフォーマットやクリエイティブで広告を配信することが不可欠です。
フィード
フィードは、Instagramアプリを起動した際に表示されるホーム画面のことで、ユーザーがフォローしているアカウントの投稿が時系列やアルゴリズム順に表示されます。
フィード広告は、これらの投稿の間に「広告」というラベル付きで自然に挿入されるため、ユーザーに受け入れられやすいのが特徴です。
ユーザーが情報を能動的に閲覧している場所に表示されるため、ブランドの世界観をじっくり伝えたり、商品の詳細な情報を提供したりするのに適しています。
1枚の画像、動画、複数の画像を見せられるカルーセルなど、多くの広告フォーマットに対応しています。
プロフィールフィード
プロフィールフィードは、ユーザーが他のアカウントのプロフィールページを訪れ、いずれかの投稿をタップして閲覧した後に表示されるフィード内の配信面です。
特定のプロフィールを訪れるユーザーは、そのアカウントが発信する情報やジャンルに強い興味を持っていると考えられます。
そのため、関連性の高い広告をプロフィールフィードに配信することで、関心度の高い潜在顧客層へ効果的にアプローチすることが可能です。
例えば、親和性の高いインフルエンサーのプロフィールを訪れたユーザーに対して広告を配信するといった活用が考えられます。
ストーリーズ
ストーリーズは、画面上部に表示される24時間で消える投稿機能で、スマートフォンの画面全体に表示される縦型の画像や動画が特徴です。
広告は、ユーザーがフォローしているアカウントのストーリーズ投稿の合間に、フルスクリーンで表示されます。
画面を占有するためユーザーの視線を集めやすく、非常に高い没入感を提供できるのが最大のメリットです。
リール
リールは音楽やエフェクトを使った最大90秒のショート動画で、エンターテイメント性の高いコンテンツが人気です。
このリール動画と動画の間に、フルスクリーンの縦型動画として広告が配信されます。
ユーザーは面白いコンテンツを求めて次々と動画をスワイプしていくため、広告も最初の数秒で視聴者の興味を引きつけ、飽きさせないクリエイティブな工夫が求められます。
発見ホーム
発見ホームは、ユーザーがアプリ下部の虫眼鏡アイコンをタップした際に最初に表示される画面です。
ここには、ユーザーの興味関心に基づいてパーソナライズされた投稿がタイル形式で一覧表示されます。
このタイルの中に他の投稿と同じサイズで広告が配信されます。
ユーザーは「何か新しい、面白いものを探したい」という能動的な状態でこの画面を見ているため、魅力的なクリエイティブであればタップされ、広告の詳細を見てもらえる可能性が高いです。
発見タブ
発見タブは、発見ホームのタイルからいずれかの写真や動画をタップし、その後のフィードをスクロールしている最中に表示される広告枠を指します。
ユーザーは特定の投稿に興味を持ってタップしているため、そのコンテンツと関連性の高いトピックに強い関心を持っている状態です。
このタイミングで関連する広告を配信することにより、より深いレベルでユーザーの興味を引きつけ、エンゲージメントやクリックにつなげることが期待できます。
発見ホームと同様に、新たな潜在顧客にリーチするための重要な配信面であり、関心度の高いユーザーにアプローチしたい場合に効果的です。
検索結果
Instagramの検索結果ページも広告の配信面の一つです。
ユーザーが発見タブの検索バーを使い、特定のキーワード、ハッシュタグ、アカウント名を検索すると、その結果が表示されるフィード内に広告が配信されます。
フォーマット
Instagram広告のフォーマットとは、広告をどのような形式やデザインで見せるかという「広告の型」のことです。
Instagram広告では、1枚の静止画で訴求する「画像広告」、動きと音で魅力を伝える「動画広告」、複数の画像や動画をスワイプ形式で見せる「カルーセル広告」、商品をカタログのように表示できる「コレクション広告」など、さまざまなフォーマットが用意されています。
伝えたいメッセージの内容、ユーザーに促したいアクション、表現したいブランドイメージなど、広告の目的に応じて最適なフォーマットを選択することが重要です。
配信面によって利用できるフォーマットが異なるため、配信面との組み合わせも考慮する必要があります。
画像広告
画像広告は、1枚の静止画とテキストで構成される、最もシンプルで基本的なInstagram広告のフォーマットです。
フィード、ストーリーズ、発見タブなど、Instagram広告のほとんどの配信面で利用できます。
動画広告と比較して制作のコストやハードルが低い点もメリットです。
一方で、ユーザーが次々とスクロールする中で一瞬で注意を引き、メッセージを伝えきるインパクトのあるビジュアルが求められます。
高品質で魅力的な商品写真を使用したり、伝えたいキャッチコピーを画像内に効果的に配置したりするなど、視覚に訴える工夫が重要となります。
動画広告
動画広告は、映像と音声を使って商品やサービスを宣伝するフォーマットです。
静止画に比べてより多くの情報を盛り込むことができ、ストーリーテリングを通じてユーザーの感情に深く訴えかけることが可能です。
特に、ストーリーズやリールといった没入感の高い動画中心の配信面では、非常に高い効果を発揮します。
商品の使用シーンを実演したり、サービスのベネフィットを分かりやすく解説したりと、活用方法は多岐にわたります。
多くのユーザーは音声なしで視聴する可能性があるため、テロップやキャプションを追加し、サイレント再生でも内容が伝わるように工夫することが成功のポイントです。
カルーセル広告
カルーセル広告は、1つの広告枠内で複数の画像または動画を、ユーザーが左右にスワイプすることで閲覧できるフォーマットです。
この形式を活用することで、複数の商品をラインナップとして一度に紹介したり、一つの商品の特徴をさまざまな角度から見せたり、漫画のようにストーリー仕立てで使い方を説明したりと、多彩な表現が可能になります。
それぞれの画像や動画(カード)に、個別の見出し、説明文、リンク先のURLを設定できるため、異なる商品ページへ直接ユーザーを誘導することもできます。
多くの情報を伝えたい場合や、ユーザーの能動的な操作を促したい場合に有効です。
コレクション広告
コレクション広告は、メインとなるカバー画像やカバー動画の下に、複数の商品画像をカタログのように表示できるフォーマットです。
ユーザーがこの広告をタップすると、Instagramアプリ内で「インスタントエクスペリエンス」と呼ばれるフルスクリーン表示のランディングページが瞬時に開きます。
このページ内で、ユーザーはさらに多くの商品を閲覧したり、詳細情報を確認したりすることが可能です。
アプリを離脱することなく、雑誌をめくるような感覚でスムーズに商品を探せるため、特にアパレルや雑貨など複数の商品を扱うEコマース事業者にとって効果的です。
発見から購買までの動線をシームレスにし、離脱率を低減させる効果が期待できます。
配信の目的と最適化
Instagram広告の運用を成功させるには、まず広告配信の目的を明確に設定することが不可欠です。
キャンペーン作成時には「認知」「売上」といった目的を選択します。
ここで選択した目的に基づいて配信アルゴリズムが最適化されるため、Instagram広告の配信目的に合った項目を選ぶことが重要です。
認知度
「認知度」をキャンペーンの目的として選択すると、広告システムは、できるだけ多くのユーザーに広告を届け、ブランドや商品を覚えてくれる可能性が高い人に配信されるよう最適化を行います。
新商品の発売時や、新しいブランドの立ち上げ時、あるいは特定のエリアで知名度を高めたい場合などに適しています。
この目的では、コンバージョンやクリックよりも、どれだけ多くの人に見られたかを示す「リーチ」や、表示回数である「インプレッション」が重要な評価指標となります。
トラフィック
「トラフィック」を目的としたキャンペーンは、WebサイトやECサイト、アプリのダウンロードページなど、指定した遷移先への訪問者(トラフィック)を増やすことを目指します。
Instagram広告のシステムは、広告内のリンクをクリックする可能性が高いと判断されたユーザーに優先的に広告を配信するように最適化されます。
新商品の詳細ページへ誘導したり、記事を読んでもらったり、キャンペーンサイトへユーザーを集めたい場合に有効です。
評価指標としては、「リンククリック数」などが重要視されます。
エンゲージメント
「エンゲージメント」を目的として設定すると、広告投稿に対して「いいね!」、コメント、シェア、保存などのアクションを起こす可能性が高いユーザーに配信が最適化されます。
この目的は、単に広告を見せるだけでなく、ユーザーとの積極的なコミュニケーションを促し、ブランドへの親近感やファン度を高めたい場合に適しています。
リード
「リード」を目的としたキャンペーンは、自社のビジネスに関心を持つ見込み客の連絡先情報(名前、メールアドレス、電話番号など)の獲得を目指します。
Instagram広告のシステムは、フォームなどに情報を入力し、送信してくれる可能性が高いユーザーを予測して広告を配信します。
BtoB向けの資料請求、イベントの参加登録、無料相談の申し込み、メールマガジンの購読者登録など、コンバージョンを獲得したい場合に最適です。
アプリの宣伝
「アプリの宣伝」は、モバイルアプリのプロモーションに特化したキャンペーン目的です。
この目的を選択すると、新規ユーザーによるアプリのインストールを促進したり、アプリ内で商品購入やレベルアップを行う可能性の高いユーザーに向けて配信が最適化されます。
アプリの成長フェーズに応じて幅広い目的に対応できるのが特徴です。
売上
「売上」は、Webサイトやアプリでの商品購入、有料サービスの申し込みといった、ビジネスの直接的な成果であるコンバージョンを最大化することを目的とするキャンペーンです。
Instagram広告のシステムは、コンバージョンに至る可能性が高いと判断したユーザーに広告を配信します。
この目的を効果的に活用するためには、WebサイトにMetaピクセルを設置し、コンバージョンイベントを正確に計測することが不可欠です。
収集されたデータをもとに機械学習が進行し、配信の精度が向上していきます。
Eコマースサイトなど、オンラインで直接的な売上の増加を目指すビジネスにとって最も重要な目的設定です。
ターゲティング
ターゲティングは、広告を届けたいユーザー層を特定し、絞り込むための設定です。
Instagram広告の大きな強みの一つが、このターゲティング機能の精度の高さにあります。
広告の目的や商材に合わせて適切なターゲティングを行うことで、広告の費用対効果を大幅に高めることが可能です。
Instagram広告のターゲティングは、大きく分けて3種類あります。
ユーザーの属性や興味関心で設定する「コアオーディエンス」、既存顧客のデータなどを活用する「カスタムオーディエンス」、そしてカスタムオーディエンスに似た特徴を持つ新規ユーザーを探す「類似オーディエンス」です。
コアオーディエンス
コアオーディエンスは、InstagramやFacebookに登録されているユーザーのプロフィール情報やプラットフォーム上での行動データに基づいてターゲットを設定する、最も基本的なターゲティング手法です。
設定できる項目は多岐にわたり、「地域」「年齢」「性別」「言語」といった基本的な利用者データから、「興味・関心」(例:ファッション、旅行、特定のスポーツなど)、「行動」(例:最近商品を購入した、特定のデバイスを利用しているなど)まで、細かく指定できます。
自社の商品やサービスに関心を持ちそうなユーザーのペルソナを想定し、それに合わせて条件を組み合わせることで、精度の高いアプローチが可能です。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは、広告主が保有する既存の顧客データや、自社のアセット(Webサイト、アプリ、SNSアカウント)と接点を持ったユーザーを対象とするターゲティング手法です。
例えば、自社の顧客リスト(メールアドレスや電話番号)をアップロードしてそのユーザーに広告を配信したり、Webサイトに設置したMetaピクセルのデータを利用してサイト訪問者にリターゲティング広告を配信したりできます。
また、Instagramのビジネスプロフィールで何らかのアクション(フォロー、投稿へのエンゲージメントなど)を起こしたユーザーをオーディエンスとして作成することも可能です。
既存顧客への再アプローチや、関心度の高い見込み客の育成に非常に効果的です。
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、既存の優良顧客などに似た特徴を持つ新しいユーザーに対してInstagram広告を配信するターゲティング手法です。
まず、基となる「ソースオーディエンス」として、コンバージョンしたユーザーのリストや、LTV(顧客生涯価値)の高い顧客リストなどのカスタムオーディエンスを指定します。
すると、Metaのシステムがそのソースオーディエンスに似た傾向を持つユーザーを新たに探し出してオーディエンスを作成します。
ソースの質が高ければ高いほど、成果につながりやすい新規顧客に効率的にアプローチできます。
オーディエンス作成時には類似度を1%から指定でき、数値が小さいほど元のオーディエンスとの類似性が高くなります。
Instagram広告の出し方
Instagram広告の仕組みや種類を理解したら、次はいよいよ広告配信の準備です。
実際にInstagram広告を配信するには、いくつかの設定手順を踏む必要があります。
ここでは、Instagramアカウントの準備から広告マネージャでのキャンペーン作成まで、広告の具体的な出稿方法と手順をステップバイステップで解説します。
Instagramアカウントを用意する
Instagram広告を配信するための最初のステップは、Instagramアカウントを用意することです。
まだ自社やブランドのInstagramアカウントを持っていない場合は、まず新規に作成する必要があります。
すでに運用しているアカウントがある場合は、そのアカウントを使用します。
広告はこのInstagramアカウント名義で配信されるため、プロフィール情報や過去の投稿が企業の顔となります。
広告配信の準備を始める前に、対象のアカウントにログインできる状態にしておきましょう。
Instagramアカウントをプロアカウントに切り替える
Instagram広告を配信するためには、通常の個人用アカウントを「プロアカウント」に切り替える必要があります。
この切り替えは、Instagramアプリのプロフィール画面から「設定」メニューに進み、「アカウントの種類とツール」から簡単に行えます。
プロアカウントに切り替えると、投稿のパフォーマンスを分析できる「インサイト」機能が利用可能になります。
Metaビジネスアカウントを作成する
次に、Instagram広告を統合的に管理するためのツールである「Metaビジネスアカウント」を作成します。
これは、広告アカウント、Facebookページ、Instagramアカウントといったビジネスアセットを一元管理し、複数の担当者に権限を付与するための無料のプラットフォームです。
セキュリティの向上や、チームでの効率的な広告運用に不可欠なツールとなります。
Facebookページを作成する
Instagram広告を配信するにあたり、Facebookページを作成、連携するケースがほとんどです。
まだ自社のFacebookページがない場合は新規に作成します。
ページ作成後は、プロフィール写真やカバー写真、連絡先、事業内容といった基本情報を編集し、信頼性のあるページとして整えておくことが重要です。
このFacebookページと、プロアカウントに切り替えたInstagramアカウントを連携させます。
広告アカウントを作成する
次に、広告費用の支払いや広告キャンペーンを管理するための「広告アカウント」を新規に作成します。
広告アカウントはMetaビジネスポートフォリオ上で作成することができます。
広告アカウントの作成後、広告費用の支払い方法の設定も必要です。
広告配信を開始する前に、クレジットカードなどの支払い情報を早めに登録しておくと良いでしょう。
広告マネージャでキャンペーンを作成する
すべての準備が整ったら、Metaの「広告マネージャ」で広告キャンペーンを作成します。
Instagram広告の設定は「キャンペーン」「広告セット」「広告」という3つの階層で構成されています。
まず「キャンペーン」階層で、広告配信の目的(認知度、トラフィック、売上など)、配信予算を設定します。
次に「広告セット」階層で、広告を配信するターゲット(オーディエンス)、配信面、スケジュールを設定します。
最後に「広告」階層で、ユーザーに実際に表示される画像や動画といったクリエイティブ、広告文、リンク先のURLなどを設定します。
この3階層構造を理解することが、効率的な広告管理の第一歩です。
Instagram広告を配信する
広告マネージャでキャンペーン、広告セット、広告の設定がすべて完了したら、最後に内容を確認して「公開」ボタンをクリックします。
公開後、作成した広告はMeta社の広告ポリシーに準拠しているかどうかの審査に入ります。
審査は通常24時間以内に完了しますが、場合によってはそれ以上かかることもあります。
無事に審査で承認されると、広告セットで設定したスケジュールに従って、自動的にInstagram広告の配信が開始されます。
配信が始まると、インプレッション数やクリック数、コンバージョン数などのパフォーマンスデータをリアルタイムで確認できるようになります。
Instagram広告の効果を最大化させる方法
Instagram広告は、ただ配信するだけでは十分な効果を得られません。
成果を最大化するためには、配信後のデータ分析に基づいた継続的な改善、つまり「運用」が非常に重要になります。
ここでは、Instagram広告の効果を高めるために押さえておきたい運用のポイントを紹介します。
広告配信の目的を明確に決めておく
Instagram広告の運用を始める前に、今回の広告配信で何を達成したいのかという「目的」を明確に定義することが最も重要です。
ブランドの認知度を高めたいのか、Webサイトへのアクセスを増やしたいのか、それとも直接的な商品購入につなげたいのかによって、取るべき戦略は大きく異なります。
広告マネージャで最初に設定するキャンペーン目的は、その後の広告配信のアルゴリズムを決定づける重要な要素です。
目的が曖昧なままでは、適切なターゲティングやクリエイティブの作成、さらには成果の評価も正しく行えません。
まず最終的なゴールを定め、そこから逆算してキャンペーンの全体像を設計することが成功への第一歩です。
1週間に50件以上のコンバージョンを目指す
コンバージョン獲得(売上やリードなど)を目的とする場合、Metaの広告システムが効果的に機能するためには、一定量の学習データが必要です。
Metaは、広告セット単位で「1週間に50件」のコンバージョンデータを獲得することを推奨しています。
このデータ量を確保することで、広告の機械学習システムが「どのような特徴を持つユーザーがコンバージョンしやすいか」を正確に学習し、配信の最適化が効率的に進みます。
予算や単価の問題で最終的なコンバージョンを週50件獲得するのが難しい場合は、より手前のマイクロコンバージョンを目的として設定し、データ量を担保することも有効な手段です。
ターゲットはできる限り狭めない
Instagram広告では詳細なターゲティングが可能ですが、最初からターゲットを過度に絞り込みすぎることは推奨されません。
オーディエンスの規模が小さすぎると、広告を配信できる対象が限定されてしまい、CPM(インプレッション単価)の高騰を招いたり、コンバージョンデータが十分に集まらず機械学習がうまく機能しなかったりする原因となります。
近年、Metaの広告配信アルゴリズムは非常に進化しており、ある程度幅広いターゲット設定からでも、システムが自動的に成果につながりやすいユーザーを見つけ出してくれます。
まずは少し広めのオーディエンスで開始し、配信結果を分析して効果の悪いセグメントを特定した後に、調整や停止を検討するのが効率的です。
まとめ
Instagram広告は、Meta社の豊富なデータを活用した高精度なターゲティングと、視覚的に訴求力の高い広告フォーマットを組み合わせることで、さまざまなビジネス目標の達成に貢献する強力なツールです。
その特徴やメリットを最大限に活かすためには、広告配信の目的を明確にし、ターゲットやクリエイティブを戦略的に設計することが求められます。
Instagram広告は配信して終わりではなく、配信データを分析し、改善を繰り返す運用が不可欠です。
本記事で解説した基礎知識を参考に、ぜひInstagram広告の活用に取り組んでみてください。
Instagram広告の運用を成功させるためには?
Instagram広告の運用と分析は、実績が豊富な広告代理店にお任せすることをおすすめしております。
株式会社FiveのInstagram広告運用サービスは、ページやバナーの制作から広告運用まで一気通貫で対応可能です。
Instagram広告運用を成功させたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

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御茶ノ水でWeb広告全般の運用代行をしているFiveの編集部です!
実際の広告運用で得た知見を基に、Google広告やInstagram広告といった各媒体の最新情報やプロの運用担当が書いたノウハウを発信します。